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Izmirとその周辺

女子大生のゴミエブリデイ

祖母のタブーに触れた浅慮な私の話

家族

 

 ある理由から、私には3人ずつ祖父母がいる。表題の「祖母」とは、私との祖母-孫歴が最も浅い祖母のことだ。

 

 祖母には謎が多い。個人的なことを聞いてはいけないようなオーラが漂っている。どこで生まれ育ち、どんな仕事をしたり趣味を楽しんだりしているのか、よくわからない。おしゃれが好きでいつもちりめん生地の服を着てて、けれども口紅を施すことを嫌っている。唇に何か付いている状態がイヤなんだとか。

 

 実家から祖母の家まで100mほどだ。帰省すると、いつも仏壇を拝みがてら祖母宅を訪問する。

 

 この前の年末、寒さに耐えきれず、逃げるように実家へ帰った。そして祖母宅を訪問した。祖母と私だけだった。NHKを観ながらいろいろ話した。

 仏壇に線香をあげてきなさいと言われ、仏間へ向かう。祖母もついてきた。線香をあげ、手を合わせる。仏壇の横には何かの神様の神棚と、コピーしラミネート加工がされた家系図が飾られている。

 

 祖母には若くして他界した息子がいる。仏壇の位牌には彼の名前が刻まれていた。私の実家では彼を名前+「さん」で呼ぶ。

 彼の話は断片的にしか知らない。最新の情報は、生前は中森明菜が好きだったということ。(祖母は「もっと健康的な人のファンになればよかったのにね」と言っている。私も明菜ちゃんのファンなんですけど!)

 

 彼の名前は、うちの家系の中では特殊だ。そのことを私はずっと不思議に思っていた。だから、思い切って聞いてみた。

 祖母は顔色ひとつ変えず、彼に名付けをした際のエピソードを語った。祖父と生家の仲が悪かったこと。祖父が生家に反発して付けた名前であること。

 ふーん、そうなの、と私は単に情報を得た気分で聞いた。そのうち日が暮れたから、また仏壇に手を合わせて実家に帰った。

 

 

 帰宅して母にこの話をした。母は言った。

「おばあちゃんは(息子の名前)さんにああいう名前を付けたことをとっても後悔してるんだよ。自分たちがああいう名前を付けたせいで、早く亡くなってしまったのかもしれないって。」

 母は少し責めるような目で私を見ていた。

 

 しまった。そうだったのか。後悔した。私はそう思わないけど、とか言えなかった。いつもなら言うのに。

 メチャクチャ。おばあちゃんと仲良くなりたかっただけなのに。私がバカなばっかりに、祖母のタブーに触れてしまった。アイマスで言えば「バッドコミュニケーション」。でも、祖母は私を叱ることもなかった。祖母と言っても出会ったのは数年前で、未だにたまに会う親族同士のような距離感なのに。

 

 

 もう時間は巻き戻せない。それに私は謝るのが極端に下手だ。今度帰省するときはとっておきの手土産と先日購入した中森明菜のアルバムを持っていき、誠意を見せることにする。